ADHDと診断される人の数は世界的にみても増加の一途をたどっている。著者はこの病態が歴史的に医学界でどのように扱われてきたかを丁寧に読み解く。多動衝動性障碍、器質的脳症候群、行動化、微細脳損傷、児童期の多動性反応、微細脳機能不全、注意欠如障碍(ADD)、注意欠如・多動性障碍(ADHD)など、その用語も様々である。世界規模での時代のうねりに揉まれ、文化的背景に彩られ、ADHDの歴史がどのように動いたのか――壮大なストーリーで、様々な要因がからみあう様が、謎解きのような面白さで描かれる。まさにADHDの歴史を描いた決定版。ADHDについて一挙に理解を深めることができる。(星和書店)
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